ピアノの学習者必修と言っても過言ではない
ヨハン・セバスチャン・バッハの「インヴェンションとシンフォニア」
私の門下生も、
一部の”ピアノは趣味だから”と断言して拒否する生徒以外、もれなく与える課題ですw
よく大人の方で、
子供の頃に訳もわからぬまま与えられたから取り組んで、苦手意識を持って終わったという方が結構数おります🙄
そう言ってしまうには勿体無すぎる教材なので
私も巷の講師の方々を見習って
来年から、分析と演奏音源を上げていこうと思います🎥
あくまで、Youtubeでどれが良いのかよくわからない、誰を信じて良いのかわからないという生徒たちのために。
さて、その「インヴェンションとシンフォニア」
バッハさんが長男のために作った学習用教材で
いろんな要素が盛りだくさん✨
きちんと学習目的と手順を踏まえたら
これほど最強な教材はないのです💪🏻
まずは0番として
学習目的と取り組む順番について、先に知っていただこうかと。
◆バッハが明言している学習目的は3つ。
2声、3声を弾き分ける技術の習得
歌うように弾く技術の習得
作曲のお手本として、予備知識の習得
1.
私たちがよく慣れ親しんでいるのは左手が伴奏、右手がメロディの楽曲🎼
でも合唱などはどのパートが伴奏ということはなく、どれもメロディで、どのパートも主役になり得ます。
どのパートに主役が来ても、きっちり立体感を持って表現できるように、2つの声部から始まり、3つの声部に増えてもきちんと聞き分けられるように、なおかつ弾き分ける技術が習得できるように、さまざまな構成で作られています。
2.
ピアノという楽器は打楽器の一種なので、鍵盤を弾いた瞬間にハンマーが弦をたたき、その瞬間から音が減衰するようにできています🎹
弦楽器や管楽器、声楽は音を出してからのクレッシェンド(だんだん大きくすること)も可能ですが、ピアノは音を出したらそれ以上何も施す術がありません。
レガートで奏するのが極めて難しい楽器で、鍵盤を弾くたびに、音が減り続ける音たちをなめらかに繋げなくてはならないのです。
そんな楽器の性質を考えながら、音を極めて声楽的につなげるにはどうしたらよいか、各声部ごと思考を凝らし向き合わなくてはならない課題ばかりなのです。(だから難しくていやになるのかもしれませんがw)
3.
バッハの作品は対位法という作曲技法が用いられ、常に一つの題材(主題動機、主題と言います)を基に、それを繋げたり、音域や音を変えたり、反対の形にしてみたり、変化を加え様々に組み合わせて曲にしていきます。
構成的にも段落ごとに意図がわかるように音が重ねられており、極めて建築的に音を並べているのです。
それらはまさに最高の作曲のお手本であり、初学者の参考になること間違い無しなのです。
レッスンの合間にこれらの目的を熱弁する時間はあまりなく
多くは指使いが違うだの
音が違うだの、ここは切って、
こう弾け、ああ弾け、のオンパレード👨🏻🏫
初めて取り組む生徒のバッハに、
直す箇所が多すぎて
先生たちも丁寧に説明している余裕はないのが現状です😓
しかも課題がバッハ1曲ということはほとんどないですし📚
でも丁寧にレッスンしないと、やる意味ほぼ無いのですよね〜、このバッハ。。。
十分に時間を割ける生徒は一部なので、
ブログという場を利用して、説明していきたいなと思いました。
わざわざ自信を喪失させるレッスンがしたいわけでもなく
「バッハさんの目的にかなった中身の補足をしたいな」というのが私の目的です。
1〜2ヶ月に一個はとる予定なので、大人の方で再開される方は是非一緒に練習してみてください😁
◆学習の順番について
曲集はそれぞれ15曲ずつ、調性は1番から音階の順に構成されています。
ド(長調)→ド(短調)→レ(長)→レ(短)→ミ♭(長)→ミ(長)→ミ(短)→ファ(長)→ファ(短)→ソ(長)→ソ(短)→ラ(長)→ラ(短)→シ♭(長)→シ(短)
バッハは難易度順に曲を並べたわけではないので
これらを1番から順番に取り組むと、
初学者はほぼ間違いなく挫折するのでやめましょうw
バッハは下記の調性の順番で作曲していったとか。
昇って降りての音階順です💡
ド(長調)→レ(短調)→ミ(短)→ファ(長)→ソ(長)→ラ(短)→シ(短)→シ♭(長)→ラ(長)→ソ(短)→ファ(短)→ミ(長)→ミ♭(長)→レ(長)→ド(短)
比較的こちらの方が取り組みやすい順番になっていると思います。
先生によっても与える順番は色々なので、
お茶の水教室の先生方に以前、インヴェンションの学習順についてアンケートを取ってみました👍
調号の少ないもの(1,4,8番など)から始めて、
32分音符の出てくるもの(6,14)は後回し、という先生が多かったですが
「他の課題と調性や雰囲気が被らないように」という意見もあったり
「13番は調号がなくても結構弾きにくい子が多い」という声もあったり
指の回らない子は10番のトリルが結構しんどかったり、、、
その子の苦手や癖によっても与える順番は異なったりします。
私もインヴェンションの難易度はざっと三段階に分けていて
大抵そこから2曲候補に出して好きな方を選ばせることが多いです。
Lv.1:1,4,8,13
Lv.2:3,5,7,10,11,15
Lv.3:2,6,9,12,14
明確にレベル分けしているわけではなく
3番は指の回らない子にはLv.3になりますし、細かい音符を見慣れている生徒には12や14番は Lv.2くらいで取り組めたりします。
まずは普段みていただいている先生に相談してみるのが一番いいですね⭐️
シンフォニアについては手の大きさでだいぶ取り組む順が前後するので、
またいい書き方がまとまったら記事にしたいと思います。
動画は出来るだけレベルごと上げていこうかなと思っています😉
まずは目標一つ目、始動です❗️
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